●キャビン(ドリュー・ゴダード)

The Cabin in the Woods/2011/Drew Goddard      ★★★★★

◆山奥だと思っていたら、そこは、『ハンガー・ゲーム』風の人工環境(環境の気候を自由にコントロールできる)で、そこへ行った若者たちが制裁を受けるという話。ネタをばらせば、そこは、この世のあらゆる妖怪たちを飼っており、それらを鎮めるために若者の血を供えている。若者をおびきよせて、人身御供にしているのである。引っかかる若者たち(クリスティコノリー、クリス・ヘムズワース、アンナ・ハッチンソン、フラン・クランンツ、ジェシー・ウィリアムズ)のうち、意外な抵抗力を示すのが、大麻常習者のマーティー(フラン・クランンツ)だというのは面白い。

◆若者の一人が、「こいつはリアリティショウじゃねぇか」と叫ぶシーンがある。ある時点までは、そういう感じで進み、若者たちを翻弄する集団は、仕掛けと陰謀を目的としているだけのようにみえるが、次第にこの集団は、黙示録的な目的を持っており、妖怪たちを地下のキャビンに封じ込め、鎮めなければ、地球が崩壊するという終末論的な方向に進む。最期は、二人の若者が、「人間は他の生き物に道をゆずるべきだな」といった感興で、世の終末をまえにして大麻を一服吸うというシーンで終わる。

◆かなり安い作りにもかかわらず、必見なのは、この間の怪獣・妖怪映画に登場したありとあらゆる怪獣や妖怪がどっと姿をあらわすシーン。これだけ登場すると、笑いがこみあげてくる。なお、こういうシーンに意外な迫力がるのは、もともとこの映画が3Dとして完成するはずだったこともあるだろう。結果的に、それはぽしゃった。

◆学生たちを翻弄する謎の組織のラボで、リチャード・ジェンキンスがホワイトボードを前にしているシーンがあるが、そのホワイトボードには、これから登場する50近いモンスターやクリエイチャーの名がずらりと書かれている。これについては、ネットにリストがある→リスト1リスト2がある。

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