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ジャックと天空の巨人
醜悪で凶暴な巨人と無実の人間との闘いの冒険サスペンス。童話『ジャックと豆の木』の寓意や教訓はノンストップ・アクションとともにどこかに飛んでしまった。
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ハッシュパピー バスタブ島の少女
環境に大きな変異が起きる100年後、あるいはもっと先に、いや、地震や津波の明日に日本で、極限的な状況に置かれたとき、この映画を思い出そう。映画経験のない出演者と低予算ながら、入念に編集された映像と音響(すばらしい)が、神話と生々しいこの現実とのはざまをスウィングし、いかなる極限状態でも失われない楽天的ななにかを実感させる。
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L.A.ギャングストーリー
ショーン・ペンのナルシスティックなマゾ趣味は、ここではうまく活かされているが、力ずくが目立つ演技は相変わらず。大物は続々登場するが、本領を発揮せず、むしろ脇役がいい味を出している。そのなかでは、最後あっさり殺されてしまうが、ロバート・パトリックが最高にいい。
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ラストスタンド
オバマの銃規制を笑うかのように、これでもかこれでもかといった銃撃シーンに笑いがこみあげる。エンドクレジットにガンエフェクト関係のアーム・テクニシャンやアーム・オペレイターの名が何人もクレジットされているところをみても、その入れ込み方はハンパではない。
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愛さえあれば
乳癌の手術を受けた妻(トリーネ・ディアホルム)、浮気する夫、アメリカ人の富豪(ピアース・ブロスナン)の息子とのイタリア結婚式が近い娘(モリー・ブリキスト・エゲリンド)。彼女や彼らがソレントにある富豪の別荘に集まるということになると、大体話の予想がつく。しかし、さすがスサンネ・ビア。メロドラマのノリでも、いくつかの軽いひねりをいれながら、癒しのフレイバーで仕上げる。スネアは、癌の経験があるのだろうか?
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ブルーノのしあわせガイド
自分の息子と知らずに家庭教師をしていた50男ブールーノ(ファブリッィオ・ベンティヴァリオ)が主人公だが、偶然の出会いのなかでブルーノの子を宿し、生んだことも知らせずに15年後ブルーノのまえに姿を(最少は密かに)あらわす女こそこの映画の主人公ではないか? 演じるは、元ピッコロ・テアトロの女優アリアンナ・スコメーニャ。
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孤独な天使たち
ヒキコモリに自足している少年のところにヘロイン中毒の腹違いの姉が駆け込んでくる。持ちつ持たれつで両者が変っていく(ある意味で社会復帰する)のだが、ベルトリッチがいま撮るのなら、ヒキコモリの少年の方だけにすべきだった。薬中は〝復帰〟するか死かしかないかもしれないが、ヒキコモリはどうではない。アプローチが古すぎる。
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コズモポリス
前作『危険なメソッド』と同様に、どこか本領を発揮していない感じのクローネンバーグ作品。朗読調のせりふも、ただのもったいぶった印象しかあたえない。おおげさなリムジンと富豪(ロバート・パティソン)との組み合わせは、レオス・カラックスの『ホーロー・モーターズ』を思い出させるが、カラックスのほうが面白い。ジュリエット・ビノシュ、マチュー・アマルリック、サマンサ・モートン、ポール・ジャマ
ッティらの大物俳優も本領を発揮する場がない。
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カルテット!
名声を享受した者が、老いることは多くの困難を生む。そうでなくても、老いと馴れ合うのはむずかしい。まして、名声の享受をあきらめなければならなくなったとしたら。かつての有名音楽人ばかりが余生を送る老人ホームという設定はうまい。老いと名声のかげりを経験したダスティン・ホフマンの実感がつたわってくる初監督作品。トム・コートニーとマギー・スミスが完璧な演技を見せる。
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ロイヤル・アフェアー 愛と欲望の王宮
デンマークでは誰でもが知っている話だというが、わたしは知らなかった。『偽りなき者』(Jagten/2012)で少女の妄想によってひどい目に遭う男を演じたマッツ・ミケルセンがドイツ人の侍医を演じているので、今回も、侍医が王妃なんかに恋してひどい目に遭うのではないかと思ったが、終盤までは、けっこう〝新しい関係〟が許容されたのだなと思ったりもした。18世紀のデンマークのヨーロッパのなかでの特殊な位置、ルソーの思想の影響、組織というもののどうしようもなさ、世俗から隔絶された人間が新規なことや下層の者を思い遣ることをやると感動するのはなぜかについて考えた。
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ヒステリア
女のヒステリー(ヒステリア)が性的欲求不満から来るという仮説のもとに、性のマッサージ技術を開発したダリンプル医師(ジョナサン・プライス)。たまたまその弟子になったモーティマー(ヒュー・ダンシー)は、商売繁盛で手が痙攣を起こし、友人の発明家エドモンド(ルパート・エヴァレット)に相談し、バイブレータを得る。性的バイブレータ開発史。マギー・ギレンホールが演じるダリンプルの娘で女性解放の活動家のシャーロットは、オルガスムだけでは女は解放されないという示唆を残すが、そのへんはうやむやで終わる。
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リンカーン
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アンナ・カレーニナ
映画のスタイルとしては、脚本のトム・ストッパードのミュージカル舞台を見る知覚を映画で実現しようという大胆な実験。そのために、いまでは過去のものに感じやすいアンア・カレーニナという女性とその生き方が、いまの精神疾患に病む現代女性と交錯する。
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ヒッチコック
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汚れなき祈り
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ジャッキー・コーガン
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ある海辺の詩人
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ガレキとラジオ
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シャドーダンサー
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パーカー
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シュガーマン
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魔女と呼ばれた少女
この映画を見ると、アフリカやかつてのカンボジア(ポルポト)の〝革命運動〟が、伝統的な要素を冷酷な西欧的な一次元的論理とテクノロジーで操作したことがよくわかる。子供が戦士に動員されたのも、この映画の舞台コンゴでは、彼や彼女が体のなかに宿している呪術的な要素を操作しやすかったからだ。しかし、彼や彼女らも、いつまでも騙されてはいない。
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ジャンゴ 繋がれざる者
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野蛮なやつら/SAVAGES
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ゼロ・ダーク・サーティ
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体温
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祖先になる
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草原の椅子
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世界にひとつのプレイブック
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クラウド・アトラス
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ザ・マスター
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アウトロー
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愛、アムール
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キャビン
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ホビット
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フライト
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レ・ミゼラブル
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ファイヤー・ウィズ・ファイヤー
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人生、ブラボー!
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偽りなき者
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故郷よ