ハンガーゲーム

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ハンガーゲーム評点:★★ 2/5『トゥルーマン・ショー』との類似中途半端な政治アクション冷笑文化HOME: 粉川哲夫のシネマノート
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ハンガーゲーム

■原題:The Hunger Games/2012/Gary Ross (ゲイリー・ロス)

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『トゥルーマン・ショー』との類似

◆ドナルド・サザーランドが演じる独裁者がメディアを使って人々をコントロールしてという構図と、そのコントロール技術が中央集権的であり、電子テクノロジーのあらゆる可能性を利用しているとう点で、この映画は、ピーター・ウェアの『トルーマン・ショウ』によく似ている。

◆『トルーマン・ショウは、テレビショウのためだけに、一人の人間をその誕生から成長、結婚までも何十年にもわたって生中継し続けるという設定。しかも、事実上のテレビスタジオであるこの「街」の人々はすべてこれが放送のための世界であることを知っているが、主人公”トゥルーマン”だけがそのことを知らない。が、中年になって(ジム・キャリーが演じる)トゥルーマンはふとしたことからこの世界のからくりを知る。彼がこの世界から逃げようとすると、「スタジオ」側(そのトップがクリストフ→エド・ハリス)はあらゆる方法で彼の脱出を妨害する。この人工の島は、「スタジオ」から電子的な手段で嵐を起こしたりも出来る。

◆『ハンガーゲーム』の世界では、こうした操作のテクノロジーははるかに進んでいる。コントロール・センターははるかに大きく、タッチモニター上でホログラフィーでシュミレートした怪獣をそのままのかたちでこの映画の現場に解き放つことすら出来る。事実上は、電子操作で鍵を開けて猛獣を放ってもいいわけだが、映画的にはこのほうが面白い。