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粉川哲夫の【シネマノート】
今月気になる作品
● ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ (←リンク参照)。 ● 100歳の少年と12通の手紙 (←リンク参照)。 ● リトル・ランボーズ (準備中)。 ● 裁判長!ここは懲役4年でどうすか (←リンク参照)。 ● リミット (準備中)。 ● スプリング・フィーバー (中国の現状からすれば、「大胆」な表現といえるが、「挑発」が見え透いている)。 ● マチェーテ (準備中)。 ● ラスト・ソルジャー (「里」→「国」→「帝国」の動きには反対なのだろうが、ジャッキーの熱意の焦点があいまい)。 ● ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人 (準備中)。 ● クレイジーズ (準備中)。 ● ハリー・ポッターと死の秘宝 Part1 (ハリー、ロン、ハーマイオニーの「三角関係」の屈折した描き方がスキゾ分析的でなかなか面白い)。 ● 黒く濁る村 "苔" (←リンク参照)。 ● クリスマス・ストーリー (←リンク参照)。 ● レオニー (見過ごしたが、イサム・ノグチの母親の話だから是非劇場で見るつもり)。 ● アメリア 永遠の翼 (←リンク参照)。 ● リッキー (←リンク参照)。 ● デイブレイカー (←リンク参照)。
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クレアモントホテル ヤコブへの手紙 しあわせの雨傘 ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 ヒアフター デュー・デート 再会の食卓 イリュージョニスト フィルム・ソシアリスム
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●デュー・デート (Due Date/2010/Todd Phillips)(トッド・フィリップス)![]()
◆前作『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』と同様に、ある種70年代”ドラッグノリ”が基本にある。ドラッグでは苦い経験を積んでいるロバート・ダウニー・Jr.がこの映画では”シラフ”で、お相手のザック・ガリフィアナキスのほうがドラッグ漬けの雰囲気なのも笑わせる。自分のではない手荷物にマリワナパイプが入っていて、係官からとがめられる(ただし、危険物のチェックをする役目のこの係官には、薬物を拘束する役目はない)と、ロバート・ダウニー・Jrが、「わたしは生まれてこのかた薬物はやったことがありません」と真顔で言うのも、笑わせる。
◆しかし、全体として、イーサンという自己中の男を演じるザック・ガリフィアナキスのパターンが、『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』と変わらないので、ロバート・ダウニー・Jr. の役柄も生きない。ロバート・ダウニー・Jr. が演じるピーター・ハイマンは、プライドの高い建築家で、妻が出産まじかで、出張中のアトランタからロスに帰ろうとしているという設定。ロバート・ダウニー・Jr. は、そういう状態で神経がイライラしている感じをうまく出しているが、基本的に意志の強よそうなキャラなので、ザック・ガリフィアナキスが演じるイーサンのような困った人物によってきりきり舞いさせられるとしても、その困り度が深刻に映らない。どうせ、ボカっと殴るかして終わりにしてしまうのではないか、あるいは知的に解決してしまうのではないかという予想をいだかせるのだ。が、実際にはそうはならないのだから、ザック・ガリフィアナキスの相手としては、ロバート・ダウニー・Jr. よりも、「弱さ」を演じられる俳優のほうがよかった。
◆ピーターにはいやいやの道中、イーサンは、彼をドラッグディーラの家に連れて行く。ハイディというディーラーを演じているのがジュリエット・ルイス。おそらくこの映画で一番うまい演技を見せるのは彼女かもしれない。その身体的存在感そのままに、リリティのある演技をしている。ちなみに、彼女は、10代から20代にかけてドラッグにはまったことがある。現在、サイエントロジーの教団員だが、「22歳のとき、サイエントロジーのリハリビ・プログラムのおかげでドラッグをやめることができた」と語っている。
(ワーナー・ブラザース映画配給)
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●ヒアフター (Hereafter/2010/Clint Eastwood)(クリント・イーストウッド)![]()